採用活動をしていると、希望年収や実年収が求人票の年収より高い方が応募してきます。
年収は転職時の重要な要素の1つだと思いますので、希望年収が求人票の年収より高い応募に対して、大企業の採用現場がどのように対応しているのかをお伝えします。
大企業の求人の特徴
大企業の求人の場合、求める人材像が明確化しているため、その求人で求める能力や年齢層、年収帯がある程度決まっていることが特徴だと思います。
中小ベンチャー企業の求人ような、400万~1,000万といった幅の広い年収帯での求人は少ないです。
また、どんなに優秀な方でも求める能力がない場合は不合格となるのも特徴のひとつです。
企業に足りていない人材を募集しているのであって、募集していない=その人材は足りている(募集するほどでない)という判断の元、不合格になりやすいです。
大企業への転職は、この2つの特徴を理解して上で、活動する必要があります。
実年収・希望年収が高い場合の注意点
希望年収が高い方、高いと思われる方が応募されたからといって一概に断ることはしません。
年度の採用枠が限られているため、今期には求人を出せない場合もあり、そのような隠れた求人に該当した場合(=当該部門で必要とする高い能力がある場合)は、検討の対象となります。
その場合、相応の役職・年収での採用として検討しますが、今期の採用予定を変えてまでその方の採用を行うため、上司・人事を含め誰もが納得する理由が必要となり、求める役割・能力もかなり高いレベルを要求されることに注意してください。
希望年収の求人票が出るまで待つことも検討しよう
求人票が出ていない場合でも応募は可能ですが、前項で説明した通り、求人票が出ている場合に比べて、求められる能力や経験のレベルが高くなる可能性があります。
個人的には、求人が出ていない時は応募せず、適切な求人がでるまで待つのも1つの手段だと思います。
なお、求人は年度ごとに計画されるため、決算期末の2ヶ月後ぐらいから、今期の求人が出始めることが多いと思っています。
急がば回れとも言います。希望の企業の決算期を確認の上、待てるのあれば待つのも1つの手段です。
応募の実例
求人票の年収が「500万~700万」に対して、実年収や希望年収の高い方が応募してきた実例を3つ上げます。
- 現年収900万円の異業種の方が年収800万程度なら検討するといって応募(パターン①)
- 現在の年収800万の異業種の方が年収が下がってもよいといって応募(パターン②)
- 現在の年収850万円の同業他社の管理職が応募(パターン③)
パターン① 年収800万円程度なら検討するという方
年齢は30代中盤、業種としての大分類は同じですが、異なる商品(サービス)を取り扱う会社からの応募でした。
最初から年収800万なら検討しますと言われていたので対応もしやすく、面談を実施して、こちらの事業に対してどれだけ貢献可能な能力があるのかを問いました。
結果、とても優秀な方と思われる方でしたが、当社のサービスをどう成長させていくのかといった視点をもっておらず、最終的には応募辞退となりました。
採用側の意見としては、業界の勉強不足だと思います。求人の出ていない年収・役職を求めるのであれば、相手を納得させるだけの会話を準備していきましょう。
パターン② 年収が下がってもよいと言う方
年齢は20代後半、業種としての大分類は同じですが、異なる商品(サービス)を取り扱う会社からの応募でした。
年収について何も記載がなかったので、年収が下がっても良いのかを確認させて頂いた上で、書類選考に入りました。
海外勤務経験や難易度の高い法令対応経験もあり、優秀な方と感じたのですが、それらの経験を募集業務にどう生かすのかをイメージができず、数日悩みましたが、書類選考で不合格としました。
採用側の意見としては、業種が異なったり、異なる商品(サービス)を扱っている場合、自身の経験をこちらの事業にどう生かせるのか分かりやすく記載してほしいです。
別業界の難しい用語が並んでいても全てを理解できるわけではありません。
パターン③同業他社の管理職の方
年齢は40代、同業他社の管理職の方の応募でした。
こちら隠れ求人(今期の採用枠の関係で求人できない)に該当すると判断し、面談させて頂きました。
また、管理職ともなると、優秀な方も多いですが、やりたいことが明確化されており、業務のミスマッチがあると出戻りなどしてしまう可能性もあったので、念入りにお話させて頂きました。
結果、本人のやりたい事とは違うという話になり、空振りの結果に終わりました。
採用側としては期待しすぎてしまったと反省しました。
まとめ
実年収・希望年収が求人票の年収より高い場合、応募は可能ですが、その年収帯の求人票がでている場合に比べて、転職の難易度が上がることが多いので注意してください。
新しいサービス(商品)などは、企業側も慢性的な人手不足ですので、業界・企業の情報収集を行った上で、今後チャンスがないと思うのであれば応募すべきですが、翌年度まで待てるのであれば、待ってみるのも1つの手段です。
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