大企業の中途採用面接は、何も準備しないままだと不合格となる可能性が高いです。でも逆に、面接官の考え方や評価観点を理解し面接に臨むことで、合格率を大きく上げることが可能です。
中途採用面接では、「あなたと一緒に働きたい」面接官にそう思わせることが重要です。
この記事では、売上1兆円を超える企業での採用担当者としての経験から、大企業の中途採用面接で不合格になる理由と、合格するためのコツを説明します。
大企業の中途採用面接に不合格になってしまう理由
大企業の中途採用面接では、その部門の管理職が面接官となります。大企業の管理職となると、研修等で体系的に人材育成や採用の基本を学んでおり、転職希望者の本質を見抜いてきます。
そのため、実力のある転職希望者でも、回答内容を間違えてしまうと、中途採用面接で不合格となることがあります。
よくある不合格パターンは以下の2つです。
- 仕事の成果のみをアピールしてしまう
- 大企業特有の職場環境に対する適正を判断できない
以下それぞれの詳細を説明します。
仕事の成果のみをアピールしてしまう
中途採用面談で不合格となるパターンのひとつが、仕事の成果のみをアピールするパターンです。
中途採用面接では、あなたがこれまでの仕事で成し遂げた成果については、自信をもって面接官に伝えるべきです。ただ、成し遂げた成果だけをアピールしても面接官には評価されません。その理由は単純で、面接官があなたの言葉を信じられないからです。
実際、他人(同僚や外部のコンサルタント)が実現した成果を自分の成果としてアピールする転職希望者や、成果を誇張してアピールする転職希望者が一定数います。また、転職希望者の職務経歴書をみると、売上〇〇%アップ、費用〇〇%削減、社長賞受賞、新サービスを立ち上げなど、これがすべて本当なら凄い!と思える方が多いです。
一緒に仕事をしていれば、その成果が本物かどうかは分かるはずですが、採用面接という限られた時間・会話の中で、その成果が本物かを見分けるのは至難の業です。
そのため、採用面接で仕事の成果しかアピールしない方については、採用側としてその成果が本物かを見分けられないため、不合格とすることが多いです。
大企業特有の職場環境に対する適正を判断できない
中途採用面談で不合格となるもうひとつのパターンは、大企業特有の職場環境に対する適正を判断できない場合です。
面接官は、採用面接で転職希望者から色々な話を聞き出し、その話の中から、転職希望者が自社の職場で活躍できるかを判断します。
ただ、大企業への転職の場合、転職希望者のスキルや能力だけを評価するのではありません。大企業特有の職場環境で業務遂行が可能か、すぐに辞めてしまわないかという点も評価します。
大企業特有の職場環境は、企業によっても変わるのですが、一例を挙げておきます。
- 年功序列による実力評価でない人事評価制度
- 縦割りと言われる部門間調整の大変さ
- ベンチャー企業のようにスピード感をもって仕事ができないこと
- 仕事が細分化されていることにより仕事の範囲や裁量が狭いこと
大企業で働くことは大変なことも多いです。限られた面接時間の中で、大企業特有の職場環境で働けるか疑念が残る場合、不合格とすることが多いです。
中途採用面接の合格のコツ
採用面接の合格のコツは、面接官である企業の管理職に「あなたと一緒に働きたい」と思わせることです。そのために次の2点を意識して面接に臨むことで、面接官はあなたを信頼し、面接合格率は大きく上がると思います。
- 面接でアピールすべきは成果ではなく行動
- 転職先特有の職場環境での適正をアピールすること
以下それぞれの詳細を説明します。
採用面接でアピールすべきは成果ではなく行動
採用面接では、成果を盛ったり、他人の成果を自分の実力としてアピール方が一定数いるため、面接官はあなたの成果を100%信じているわけではありません。
そのため採用面接では、成果をアピールするのではなく、成果と成果に至るまでのあなたの行動をアピールしてください。具体的には、成果に至るプロセスの中で工夫した点、苦労した点、仕事の中でのあなたの役割をアピールします。
成果を出した本人しか分からない工夫や苦労を伝えることで、面接官はその成果が本物であると認識し、面接希望者の言葉を信じるようになります。
転職先特有の職場環境での適正をアピールすること
大企業の採用面接で重要なことは、成果や能力スキルのアピールだけでなく、転職先特有の職場環境でも働けることをアピールすることです。
実際、大企業特有の環境に馴染めず、転職後にすぐに辞めてしまう方もいます。
ただ、転職先特有の職場環境については、事前に情報を得るのが難しく、面接官に質問する中で情報を整理する必要があります。
例えば、面接の中では「具体的な仕事内容を教えてください。」や「採用の背景を教えてください」、「業務上苦労しそうな点は何でしょうか?」は質問するようにしましょう。
また、他部門を巻き込む仕事に応募する場合は、「部門間の調整はしやすいか?」や「部門間の関係は縦割りでないのか?」など聞くことも重要です。
なお、面接官に突っ込んだ質問をすることは、失礼なことではありません。逆に転職後の業務を把握しようとする姿勢は評価されると思います。
質疑応答の中で、転職先特有の職場環境・課題をある程度把握したら、その課題や環境で問題なく業務遂行可能なことをしっかりとアピールし、面接官の不安を除いてあげましょう。
例えば、部門間の調整が難しい職場環境であれば、「現職でも、自分が中心となって複数の部門と業務の調整をしていた」と面接官に伝えたり、仕事のスピードが遅い職場環境であれば、「大企業であれば色々なサービスがあり物事を進める速度が遅くなるのは理解できます」と面接官に伝えることが望ましいです。
まとめ
中途採用面接の合格のコツは、仕事の成果だけをアピールするのでなく、成果を伝える時は成果に至る行動も伝えることと、転職先特有の職場環境でも働けることを伝えることです。
そうすることで、面接官はあなたを信頼し、あなたと一緒に働きたいと感じるようになります。
聞くと簡単なことですが、実際の面接では、アピールできていない方が多いのも事実です。
この2点を意識して面接することで、面接合格率は大きく上げることが可能です。
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