40代で大企業への転職を考えた場合、転職できるか不安に感じる方も多いと思います。
実際に40代で大企業への転職は難しいですが、絶対に無理というわけではありません。
私の勤める大手企業では、30歳前後の若手の採用が多いものの、数は少ないながらも40代での採用例もあります。
この記事では、実際の採用現場での経験から分かった40代の転職が難しくなってしまう理由と大企業への転職を成功させるためのポイントを解説します。
企業側で中途採用を開始するまでの流れ
大企業への転職を成功させるポイントを知る前に、企業で人材が新たに必要となってから中途採用を開始するまでの流れを説明します。
【イベント】 |
1.社内人材で補充・業務委託で対応可能かを検討 |
2.(検討結果がNGの場合)中途採用要望書を作成 |
3.他チームとの中途採用枠の調整 |
4.人材紹介会社に募集要項を提出、採用活動開始 |
まずは、新たに必要な人材に対して、求める専門性・能力を明らかにした上で、社内人材で補充可能か、または業務委託で対応可能かを検討します。
社内に必要な専門性・能力を保持した人材がおらず、業務委託もNGと判断した場合に、社外からの中途採用での人材獲得を検討します。
ただし、企業では、通常、中途採用枠(採用人数・定員)が決まっていることもあり、採用枠に空きがなれば来年度での採用となります。
また、翌年度だからといって、中途採用の希望が全て承認され通るわけではありません。
各部・各チームからの中途採用希望に対して、中途採用枠が足りない場合は、部門長を交えて関係者で調整を行います。
最終的に、中途採用枠に残った案件だけが、人材紹介会社に連携され、採用活動が始まります。
40代で大企業への転職が難しい理由
40代で大企業への転職が難しい理由は、大きく次の2点と考えられます。
- 仕事に高い専門性を求められる
- 管理職(候補)のポストが少ない
以下、詳細に説明します。
仕事に高い専門性を求められる
大企業での中途採用は、社外募集の前に、社内で人材を探すという過程を経ているため、必然的に社内人材よりも高い専門性・能力を求められます。
社内の人材以上の専門性・能力が求められることが、大企業への転職が難易度が高い理由の1つです。
同じ年代の方より、もう一段高い専門性・能力が求められると思ってください。
また、40代以上の転職では、求められる専門性がより高くなるため、転職の難易度も更に上がります。
管理職(候補)の求人ポストが少ない
40代ともなると、既に管理職の方も多く、転職後も管理職と目指すと思いますが、大企業では管理職または管理職(候補)の求人ポストが少ないです。
理由の1つとして、大企業の管理職や管理職候補は数の限られたポストという点があります。
大企業では出世競争が少なからずあります。そのような中、転職で採用した人が容易に重要な役職に就くようであれば、新卒入社から頑張ってきた社員の士気も下がってしまうため、よほどのことがない限り、社外から管理職や管理職候補を募集しません。
2つ目の理由として、期待外れの人材だった場合の採用側のリスクが高いという点もあります。
採用活動はすべてが期待通りの人材を獲得できるわけではありません。働いてみたら期待外れだったという方を採用してしまうこともあります。
期待外れが若手であれば、時間をかけて育てていくこともできますが、期待外れが中高年の場合、育成が難しくチームのお荷物となってしまうため、企業としては中高年の採用には積極的になれません。
40代が大企業への転職を成功させるためのポイント
大企業の求人ポストは少なく、転職ライバルもあなたと同じく優秀な方であるため、転職を成功させるのは難しい状況です。
そのため、闇雲に活動をしてもうまくいかないことも多いですが、以下の2点を意識して活動を行うことで、転職の成功率を大きく上げることができます。
- 新しいサービスを立ち上げている時期を狙って転職活動を行うこと
- 事業拡大の視点・戦略を持っていること
以下、詳細に説明します。
新しいサービスを立ち上げている時期を狙って転職活動を行うこと
大企業が新しいサービスを企画・立ち上げ中であれば、絶好の転職タイミングです。新しいサービスについては、大企業側も事業ノウハウがなく、今すぐにでもノウハウを持った人材を獲得したいため、中途で採用される可能性がかなり高くなります。
規模の大きいサービスの立ち上げであれば、採用数もかなり増えますので、より採用確率も高くなります。
情報収集のアンテナを常に高くもち、業界の動向を把握したり、大企業で自分の存在価値を生かせるサービスを立ち上げていないかチェックするようにしましょう。
事業拡大の視点・戦略をもっていること
40代の転職であれば、高い専門性やマネジメント力をアピールするかと思いますが、同年代のライバルも同じアピールをしていることは容易に想像できます。また高い専門性は、30代の方とも比較されます。
そこで40代の転職では、高い専門性やマネジメント力とだけでなく、別のアピールポイントを持ち、ライバル達と差別を図る必要があります。
おススメは、事業拡大の視点・戦略をもっていることをアピールポイントとすることです。
面接官である大企業の管理職は、常に事業拡大・収支改善を意識していますし、経営層からも利益の数字を求められており、その実現・達成に苦労しています。
そのため、事業拡大・収支改善についての視点や課題認識があり、新たな戦略を提案してくれる方であれば、評価が高くなります。
ただ、上辺だけの視点、誰でも思いつくような戦略では話になりません。自信のこれまでの経験の中で培った新しい視点・戦略を話すことが重要です。
そのためには、日ごろから現業務に真摯に取り組み、視点や視野を広げておく必要があります。
大企業への転職活動における留意点
大企業への転職活動における留意点を2点お伝えします。
- 面接にてマネジメント力をアピールしすぎないこと
- 入社後に出社できない可能性も考慮すること
以下詳細に説明します。
面接にてマネジメント力をアピールしすぎないこと
人材豊富な大企業の場合、マネジメント力に長けた人材は社内に大勢おり外部から募集する必要はないため、中途採用ではマネジメント力に重きをおいていません。
大企業での面接では、マネジメント力をアピールしても面接官には響かないので注意してください。
求められていることは、高い専門性と最低限のマネジメント力だと考え選考に臨むことが重要です。
入社後に昇進できない可能性を考慮すること
大企業の場合、管理職への昇進競争がし烈であり、管理職候補として入社したものの、入社後に昇進ができないといったことも出てきます。
また、中小企業の場合、昇進に対して年齢制限がない会社が多いですが、大企業では、昇進に年齢制限のある会社もあります。40代で入社した場合、その年齢制限のため、1~2年で昇進できない場合に二度と昇進できなくなる可能性もあります。
大企業に転職後も昇進したいのであれば、事前に人事制度などを確認をしておくことが望ましいです。
まとめ
40代からの大企業への転職が難しい理由と転職を成功させるためのポイントを解説しました。
大企業への転職は難しいですが、大企業側が新しいサービスを立ち上げている時は企業側も人材獲得に積極的になっているため、転職のチャンスです。日頃から業界動向を情報収集しチャンスをものにしていくことが転職成功の秘訣となります。
また、日ごろから現業務に真摯に取り組み、視点や視野を広げ、事業の拡大戦略まで語れるようにしておくと、面接官の評価も高くなり選考も通過しやすいと思います。
コメント