転職に関わる情報は、テレビの転職者向けCM、インターネット上にある転職サイト、通勤電車の中吊り広告等々、日常生活の中で色々と知ることができます。
ただ、いざ自分が転職したいと思った時に、情報は色々とあるものの、どの転職サービスを使うのが良いか分からず、とりあえず身近な転職サービスに登録していると思います。
身近な転職サービスを利用しても転職はできます。ただ、転職サービス毎の特徴を把握してうまく活用することで、より有利に転職活動を行える可能性があります。
今回の記事では、転職サービス毎の特徴等を説明した上で、採用担当者として目線から、あなたの大企業への転職を有利に進めるための各転職サービスの活用方法をお伝えします。
各サービスの特徴や違いを理解してから、転職サービスを選ぶことが、希望する企業への転職成功の1つの秘訣となります。
転職サービス一覧
まず、世の中にある転職サービスですが、大きくは「求人情報掲載型」、「転職エージェント型」、「ダイレクトスカウト型」、「口コミサイト型」の4つに分類できます。
転職サービス | 説明 |
求人情報掲載型 | 企業が人材紹介会社のホームページ(HP)に求人情報を掲載するタイプの転職サービス。転職希望者は、HPから求人情報を検索し応募します。 例:リクナビNext 、マイナビ転職 |
転職エージェント型 | 転職エージェントより求人を紹介されるタイプの転職サービス。転職希望者と転職エージェントが会話しながら、適した転職先を探し応募します。 例:リクナビエージェント |
ダイレクトスカウト型 | 経歴・履歴をサイトに登録しておくと、企業やヘッドハンターからオファーが届くタイプの転職サービス。 例:ビズリーチ |
口コミサイト型 | 企業の「年収・待遇」や「職場環境」の口コミを集めたサイトに登録した方に求人を紹介するタイプの転職サービス。 例:OpenWork、転職会議 |
「求人情報掲載型」は昔からある転職サービスで転職希望者が自分で求人を探して応募します。
「転職エージェント型」は、転職エージェントが転職希望者に代わって求人を検索したり、企業との各種調整を行うサービスです。
「ダイレクトスカウト型」や、「口コミサイト型」は、転職する意思がなくても登録可能で、とりあえず企業の口コミを見たい、自分の市場価値を図りたいという方でも利用可能なサービスです。
転職希望者からみた各転職サービスの特徴
求人検索の方法、サービス利用の気軽さ、企業側とのやりとりの3つの観点で、転職希望者からみた各転職サービスタイプ毎の特徴を説明します。
転職サービス | 求人検索の方法 | サービス利用の気軽さ | 企業側とのやり取り |
求人情報掲載型 | △ 本人が検索 非公開求人は検索できない | ◎ 検索自体は誰でも可能 | × 本人が実施 |
転職エージェント型 | ◎ エージェントが紹介 | × エージェントと面接する必要あり | ◎ エージェントが実施 |
ダイレクトスカウト型 | ◎ 企業・エージェントから求人オファー | 〇 オファー後は面接ではなく面談なので気軽に話せる。 | △ 本人が実施する場合もあり |
口コミサイト型 | 〇本人検索または企業・エージェントから求人オファー | ◎ 企業の口コミをみるだけのID登録OK。 オファー後は面接ではなく面談なので気軽に話せる。 | △ 本人が実施する場合もあり |
求人情報掲載型転職サービス
「求人情報掲載型」は、ホームページに公開されている求人を気軽に検索できることがメリットですが、HP上の情報だけで企業を判断するのは難しく、また、応募後の企業とのやりとりも自分で行う必要があるというデメリットもあります。また非公開求人も検索できません。
転職エージェント型転職サービス
「転職エージェント型」は、転職エージェントが適した求人を探してくれたり、企業との各種調整を実施してくれるため、効率的に転職活動を行えることが特徴です。ただし、事前に転職エージェントと面談を行う必要があるため、気軽るに利用できるサービスではありません。
ダイレクトスカウト型・口コミサイト型転職サービス
「ダイレクトスカウト型」や、「口コミサイト型」は、サイトに履歴書・職務経歴書を登録しておくことで、企業・エージェントから求人オファーが届くことが特徴です。オファー後は「面接」ではなく「面談」という位置づけで企業側と気軽に話せるため、情報収集としても活用できます。
企業側から見た各転職サービスのメリット・デメリット
次は少し視点を変えて、企業側からみた各転職サービスのメリット・デメリットを説明します。
転職サービス | メリット | デメリット |
求人情報掲載型 | ・費用が安い | ・中小企業だと応募がない場合あり ・応募者が多いと企業側の業務負荷が高い |
転職エージェント型 | ・転職エージェントが応募者を厳選して推薦するため採用業務の効率が良い | ・費用が高い |
ダイレクトスカウト型 | ・転職市場に出始めの方へのアプローチが可能 | ・企業側からのメール送信や、面接の前に面談を行う必要があり、企業側の業務負荷が高い |
口コミサイト型 | ・自社の口コミ評点が高い場合、応募されやすい | ・口コミを見たいだけの方も多く、企業からアプローチしても応募に繋がりにくい |
企業側からみた転職サービスのメリット・デメリットで特筆すべき点は、2点あります。
1点目は、「転職エージェント型」が企業側にとって採用業務の効率が良いことです。応募者の厳選、応募者との調整を転職エージェントが行ってくれるので、企業側としては効率良く採用を進めることができます。
2点目は、「ダイレクトスカウト型」が転職市場に出始めの方へアプローチできることです。優秀な人材を獲得するには、その人材が転職市場に出た瞬間に他社に先駆けてアプローチすることが重要です。「ダイレクトスカウト型」は、転職に興味を持った方がサイトに登録したタイミングで、企業側からアプローチが可能となる画期的なサービスです。
大企業の採用担当が利用する転職サービス
大企業に転職するには、企業の採用担当が利用している転職サービスを使う必要があります。
売上1兆円を超える企業で実際に利用されている転職サービスは以下になります。
利用優先度 | 転職サービス |
優先度「高」 | 転職エージェント型 |
優先度「低」 | ダイレクトスカウト型 |
大企業の採用活動で「転職エージェント型」の優先度が高いのは、大企業の管理職は多忙のため、まずは自分の業務負荷が低いサービスを利用するからです。そして、転職エージェントによる採用がうまくいかない場合に、ダイレクトスカウト型による採用を行うことが多いです。
採用担当としても、ダイレクトスカウトによる転職市場へ出始めの方へのアプローチは魅力的と分かっていますが、選考の前に面談を行う必要があり、業務負荷が高く、積極的に利用できないのが実状だと思います。
大企業の採用担当者が薦める転職サービスの活用方法について
大企業への転職を考えた際にお薦めの転職活動は、まずはダイレクトスカウト型のサイトに登録し、企業との面談にて業界情報収集や自分の市場価値を確認・整理した上で、最終的には転職エージェントを活用して転職を行うことです。
大企業の場合、転職エージェント型でしか採用活動を行っていない求人もあるので、転職エージェントを活用するのは必須条件です。
またダイレクトスカウト型は、面談という形で企業と気軽に話せるので、業界の情報収集に役立ちます。業界の情報収集を行うことで、視野が広がり、本命企業との面接で話せる会話の内容が増えるため、選考通過率が上がります。
最後に、一番重要なことを伝えます。ダイレクトスカウト型での面談後は、一次面接に進まず返事を保留してください。返事をしたが最後、中小企業ほど意思決定が早く、採用までトントン拍子で決まってしまいます。気づいたら本命とは別の会社に・・・なんてことになっている可能性もあります。
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