面接で「現職では希望部門に異動できない」と答える人は少なくありません。本人にとっては納得のいく理由でも、採用側に正しく伝わらないと選考で不利になります。本稿では、採用担当としての視点から「異動できない」を転職理由にする際の落とし穴と、実践的な対策をわかりやすく解説します。
なぜ「異動できない」は不合格になりやすいのか
採用側は基本的に、優秀な人材であれば社内で異動できると考えています。時間はかかるにせよ、努力や成果があれば異動の道は開けるという前提があるため、単に「異動できない」と言われると次のような疑念が生じます。
- 自己評価が低い、あるいは現状を正しく説明できていないのではないか。
- 職場で何らかの問題を抱えているのではないか。
- 努力や準備が不足しているのではないか。
これらの疑念は面接官の評価を下げ、結果として不合格につながりやすくなります。したがって、単に「異動できない」と述べるだけでは不十分で、納得感のある背景説明と努力の証明が必要です。
転職を決断する前に考えてほしいこと
転職は環境を変える強力な手段ですが、次の点を冷静に検討してください。
- 別会社の希望部門が期待通りとは限らない。 実際の業務内容や文化が想定と異なる可能性があります。
- 人間関係や業務フローを一から構築する必要がある。 自社での異動なら既存の人脈や知見を活かせます。
- キャリア戦略としては、まず自社で経験を積んでから大企業の希望部門へ移る方が有利な場合が多い。
つまり、「今の会社で本当に異動が不可能か」を慎重に確認することが重要です。可能性が残る段階での転職は、リスクが高くなることを理解しましょう。
自社で希望部門へ異動するためにすべきこと
異動は短期間で実現することは稀ですが、以下の取り組みを継続すれば多くの場合チャンスは生まれます。
① 異動希望の表明と上司への相談
- 毎年の異動希望申請を欠かさず行う。
- 定期面談で異動の意思を明確に伝え、後任育成や引き継ぎ計画を相談する。
- 異動は3〜4年単位で動くことが多いと理解する。
② 独自学習とスキルアップ
- 希望部門で求められる知識や資格を自発的に取得する。
- 面談では勉強の成果や実績を具体的に示し、本気度と即戦力性を伝える。
- 資格や成果は転職時のアピール材料にもなる。
③ 希望部門の管理職に直談判
- ①②を数年続けても動きがない場合、希望部門の管理職に直接働きかける。
- 受け入れの意思が得られたら、現部門の説得は自分で行う覚悟を持つ。
- 管理職同士の合意が得られれば異動は現実味を帯びる。
どうしても異動できない場合の対処法
異動が叶わない理由は大きく二つに分かれます。対処法もそれぞれ異なります。
あなた頼みの仕事が多く異動できない場合
- 現部門であなたが抜けると回らない体制なら、現部門の責任です。
- 転職活動で内定を得た上で現部門と交渉し、異動か退職かを選ばせる方法が有効な場合もあります。
- ただし、大企業の希望部門は経験不足で採用されにくいので、中小やベンチャーで経験を積む選択肢も検討する。
希望部門に適性がないと判断された場合
大企業を目指すなら、まず中小で経験を積むルートが現実的です。
面接で「異動できない」を納得させる伝え方
面接官に納得してもらうためには、次のような具体的な説明を用意してください。
- 上司や部門長と異動について何年も相談してきた経緯を示す。
- 希望部門の管理職から受け入れの意思を得たが、現場判断で実現しなかったなど、客観的な事情を伝える。
- 独学やプロジェクトで得た成果を具体的に示し、異動後に即戦力となる根拠を提示する。
要は、努力の履歴と客観的な事情をセットで示すことが重要です。単なる不満や逃げの理由に見えないよう、事実と行動を中心に話しましょう。
まとめ
「希望部門に異動できない」を転職理由にする際は、背景説明と努力の証明が不可欠です。転職は有効な選択肢ですが、まずは自社での異動可能性を徹底的に検討し、異動を目指す具体的な行動を継続してください。面接では、単なる不満ではなく、納得できる経緯と即戦力となる準備を示すことで評価は大きく変わります。転職活動を成功させるために、準備と説明の質を高めてください。


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